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Yosemite trip –準備と実際–

かなり前のことですが、6月初旬にヨセミテへ初めて行ってきました。

もともと旅行のための情報収集・計画立案は好きなのですが、本やネットから色々情報収集をする中で、わかりにくいことも多く、もっと欲しい情報がまとまっているといいな と思ったのでまとめます。

まぁ一回行ってみたら概要はわかるのですが、在住でもなければ何度も行けるわけではないし、行ってない者には「先にわかってたら…」ということは知っておきたいですよね。

※全ての情報は2019年6月時のもです。

アクティビティまとめは こちら

パノラマ・トレイル→ミスト・トレイルは こちら

ミラーレイク・トレイルについては こちら

タフトポイントとグレイシャーポイントの夕日・星空については こちら


ヨセミテ国立公園 一言でいうと…


「懐の大きいところだなぁ」

乳児を含む子供から高齢の方、ハンディキャップがある方まで、全世代、あらゆる形態で、それぞれに楽しめる場所だと思います。

全長340kmあるジョン・ミューア・トレイルに代表される玄人向けのハイキングコースやロッククライミングスポットは、もちろん世界中から人を惹きつける大きな魅力で、私たちが求めていたものも それでした。
けれど一方で、30分程度の平坦な でも見所のあるイージーコースや、車で「ぴゅっ」と行けるところの絶景があったり。

印象的だったのは車椅子の家族連れでした。
マジェスティックホテルからシャトルバスに乗り込まれ、一周しようという話が聞こえてたのですが、ご夫婦の旦那様のお父様と思われる方が 車椅子に乗っておられ、様子から日常生活のほとんどに車椅子が必要なことがうかがえました。
かなり支援が必要な状況だと、日本であればこうした自然遺産に行くのは気が引けてしまいそうです。
けれど、ヨセミテなら、マジェスティックホテルに泊まれば、安全で快適に(時に優雅に)過ごすことができるし、車が走れるところなら、そうした方々も不安なく訪れ、絶景を楽しむことができます。

玄人も唸らせることができるし、自由が効きにくい人々、自然に疎い人々にも 開かれている。
世界有数のスポットもあるけれど、ごく普通のキャンプも、自然の日常も楽しめる。
いろんなことを、いろんな人々に。 できるように、出会えるように。

その辺りに、懐の深さを感じました。

私個人は、ヨセミテの雄大な自然はもちろんですが、ヨセミテ公園で「眠り、目覚める」ことそのものが とても気に入りました。

シンとした早朝の谷の闇の中、少しずつ野生動物がうごき出して、野鳥が野ずりを始める。
冷たい朝の空気、マーセド川の川面を覆う朝靄と心地よいせせらぎ。
ヨセミテの断崖に日が差し、燃えるような金色が 朝の空を縁取り始める様子。

その 静かで 穏やかな時間。
とても贅沢で 癒される時間でした。

冷え込みだけが課題ですが、次回はこの時間にヨガができたらなぁと思っています。

さて、感想はここまで。
以下に、旅行に向けて行った準備と、その実際についてまとめました。

【 訪問時期 】

私たちは2019年の6月初旬に、3泊4日で訪問しました。

ヨセミテは季節季節で見所があるので、年中ベストシーズンと言えばそうだと思うのですが、「何をねらうか」「どういう活動がしたいのか」で訪問時期が決まると思います。

私たちは以下の点を重視しました。

  • 滝、ミラーレイク、マーセド川など、雪解け水の水量が豊富(初夏がベスト、夏には枯れる)
  • グレイシャー・ポイントの通行が可能な期間(年によるが5月~10月間)
  • アメリカの学校が本格的に夏休みに突入する前(少しでも混雑を避けたい)
  • 寒がりなのであまり寒い時季を避けたい
  • 雪山をチェーンで運転とかしたことない、多分できない(秋から春先まで積雪あり)


実際は…

到着日、雷雨の後の ヨセミテ滝・滝壺周辺

希望と合致するベストシーズンを選んだ!という自信がありましたが、2018〜2019年の冬春は例年にない降雨。
それに伴い雪解けも遅く、グレイシャーポイントも5月下旬まで通行できる方が稀な状態で、全体的に例年より動きが遅い状態でした。

その上、カルフォルニアは5月の最高降水量が8年ぶりに更新されるほど、雨が多く、ヨセミテも毎日、雨雨雨… 

2週間前から雷雨が続き、最低気温はマイナス◯度という日が何日もあり、もちろんグレイシャーポイントもclosed。
雷雨の天気予報の中、ギリギリまで行くかどうか迷いましたが、最終的に決行しました。
実際には 一時雷雨もありましたが、ほとんどは晴れてくれました。

読めない気象と天候にどう対処するか

ヨセミテ公園内宿泊施設は、天候にもよりますが、6月上旬までならキャンセルが出ることも多そうです。

キャンセルは1週間前までなら無料(場所によって10ドル程度のキャンセル料)でできるので、予定の1週間前から、空きを狙うことも可能だと思いました。
あらかじめ希望日を押さえておいて、天候に合わせて直前変更することも可能だと思います。

日本などの遠方からでなければ、天候を見ながら、直前の予約を取るのもありだと思います。

※ 直近の天候は National park service のWebcams が参考になります。


【 経 路 】

ヨセミテ公園までは、サンフランシスコから出ているツアーバスを使うこともできますが、多くの方が自家用車、あるいはレンタカーで行かれるのではないでしょうか。

私たちは今回、自家用車に自炊に必要な道具を積み込んで向かいました。

ベイエリア→ 101 → 152 → 140 → 南ゲートより入園

ベイエリアから向かう方はほぼ同じかと思います。
サンフランシスコ方面からだと120という手もありますが、ガードレールのないくねくねした道が続くということで、慣れない方は140の方が無難かもしれません。

Google earth より

この経路では、152通過中に サン・ルイス貯水池を通過することになります。
人口湖なのですが、乾燥地帯に 急にぽっかりと、巨大な湖が現れるのは 衝撃的でした。
反対側にあるオニール・フォアベイを挟んで、湖面を走るような場所もあり、景色が面白いです。

南入場ゲート手前で見られる巨石

また この経由だと、南ゲート前で岩が重なったトンネルを通過でき、特に初回だと旅への期待感が増すと思います。

帰りはマリポサグローブに寄って帰る経路にしましたが、混んでいる上、道中の景色も140に比べると面白みがなく、2019年6月段階で道路工事で交通制限があり、通行できるまで停車して待つ時間が長く… この経路は次回は選びたくないです。

というわけで、公園外の宿にする場合は、宿や町はオークハーストの方が充実していますが、アクセスのしやすさや道の面白さなどマリポーサの方がいいように思います。

【 公園内の移動 】

公園内の手段は、車、シャトルバス、バスツアー、自転車(レンタル可)、徒歩。

私たちは初日に、ちょっと散歩するつもりでハウスキーピングキャンプ から、ヨセミテ滝、ヨセミテバレービレッジまで歩いてしまいました。
時間はかかりますが、徒歩でもかなりまわれます。

実際は車かシャトルバスが早いです。
混雑期は渋滞するらしいのでシャトルバスが使える場所なら、その方がスムーズだと思います。(シャトルバスレーンがあり、バスの方がスムーズ)

夏季のシャトルバス経路マップ(シーズンによって変わるのでチェック)

私たちは真夏ほど混んではいませんでしたが、ビレッジストアのある辺りからエルキャピタンまでは日中は軽い渋滞がおきていました。

1日動き回るなら自転車で移動するのもいいと思います。

【 やっておいた方がいいこと 】

計画が決まったら、事前に入れられる予約をしておくことをおススメします。
当日や到着日では予約の取れないことがままあります。

そして、マップの事前ダウンロードを強くお勧めします。
Googleはオフラインでもマップが使えるので、事前にダウンロードしておきましょう。
公園内のwifiは使い物にならないと思った方がいいです(マジェスティックホテル宿泊客を除く)。
自宅でダウンロードを済ませておくべきですが、それでも、移動中思いついたところで 車を止めてでもやっておきましょう。

公園周辺(マリポーサ ←ここで思い出しました…)ではもう無理です。

今回 マップが使えないために、トレイルの入り口を探すのに手間取ったり、トレイルから離れてしまうトラブルがありました。
分かりづらいお手洗いスポットまでマメに載っているマップを活用しない手はないです。
品物は割と公園内でも手に入るものは多いですが、GPSマップは下界でないと手に入りません。
使わなくても邪魔にならないので、事前にやっておきましょう。

【 宿 泊 施 設 】

公園内のハーフドームビレッジ(旧・カリービレッジ)のテントキャビン→バス付きキャビン(簡易木造)→最終的に、ハウスキーピングキャンプ と、予約を順々に変えて宿泊しました。

個人的には、公園内に泊まることを重視していました。

公園外でも1時間以内のところはさほど安くないし、訪問時期を考えると、ゲートまでの道が混むことも考えられました。(結果的に公園内で寝て起きる経験自体、自分には価値がありました)

計画したハイキングはスタート時間が早かったので、無駄な時間を浪費したくない…(そして運転が嫌い…)

予約自体は366日前から可能で、昨年行きたかったところを今年に延ばしたので、宿は一年前に抑える気満々でした。
しかし、親族がカルフォルニアを訪問する話が持ち上がり「ヨセミテに一緒に行く事になるかもと」彼らの予定が決まるのを待っていたら時期を逃し、いい部屋は全部予約が埋まっていました…

そのため、初期はテントキャビンを抑えていました(予約したのは訪問時からみて7ヶ月ほど前)。
その後、まめにサイトをチェックして簡易木造キャビンが空いたので変更。
(ヒーターが使えない季節でもオンシーズンということで、一泊$230でした)

ハウスキーピングキャンプ

自分たちのサイトの横に車を駐車できます。
お手洗いでも温水が出るので、朝や夜 冷え込んでも快適です。

最終的に宿泊したのは、ハウスキーピングキャンプ。

ここは、雨風を凌げる簡易の建物になり、電源があり調理も許可されています。
二段ベッドとダブルベッドがあり、スプリングマットが付いて基本4名まで宿泊可能。
シーツやイス、調理ガス器具などはレンタルも可能。寝袋用コットもレンタルできるので6名まで利用できるようです。
「宿泊施設」と思うとひどいけれど、テント泊したいけどテント持ち込こめない、キャンプ程大仰しくしたくない方にもいいかもしれません。

ここを選んだ理由は、自炊ができること!

キャンプサイト・ハウスキーピングキャンプ以外は、ハーフドームビレッジに限らず、どこの宿泊施設も原則不可です。
この一点で、俄然興味が出てきました。

結局予定一ヶ月になってキャンセルによる空きが出て、はれてハウスキーピングキャンプにしたのでした。

実 際

ハウスキーピングキャンプ、私には快適でした!

自炊ができて、コンセントが使え、シャワーも温かく、自然の中で眠る経験もできる。
夜は5℃前後でしたが、電気毛布を持ち込むと冷えを感じることもなく本当に快適。

イワタニのガスコンロを持ち込み、ドライヤー、電気ポットも持っていくと、ほとんど不便も感じません。
前述したように、5時から野鳥が鳴き始め、静かでひんやりした空気の中目覚める感覚も良かった。

キャンプ飯も楽しめ、私たちは次回もここにしたいと思っています。


詳 細 −シャワー室について−

シャワーパス(という名の紙切れ)をもらえるので、それを持ってタオルを借りに行き、シャワー室に行きます。
タオルレンタルとシャワー室両方でパスが必要になります。

シャワー室は男女別で 9つ程度あり、トイレのような扉を開けるとシャワーカーテンで区切られていて、前室が着替え、奥がシャワーになっています。
床はタイルで、海水浴場みたいな感じかな。

重要なことは、どの施設でもまずチェックをすること。
トイレならペーパーがあるか、シャワーは水が流れるか、お湯が出るか…
というのも、シャワー、ひとつポタポタとしか水がでないところもありました。

初日はチェックせずにそれに当たってしまい、裸になった後だったので、手のひらですくってかけて洗う(濡らす)…という経験をしました。

【 時 間 帯 】
毎日7AMー10PM

【クリーニング時間】
クリーニング中は使えません。
平日:2PMー3:30PM 日曜:1PMー4PM

こちらの人は朝に入浴する習慣があるので、朝の時間は混んでいます。
私は混雑しそうな時間帯、夕方と朝を避けて、3ー5時台を狙っていました。