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Yosemite −パノラマ・トレイル、ミスト・トレイル−

前回に続き、ヨセミテ旅行のアクティビティの個別情報です。

旅の準備編は こちら

アクティビティまとめは こちら

ミラーレイク・トレイルについては こちら

タフトポイントとグレイシャーポイントの夕日・星空については こちら

※ 全ての情報は2019年6月時のものです。

【 パノラマ・トレイル、ミスト・トレイル 】
(ヴァーナル滝、ネバダ滝トレイル)

所要時間:5ー6時間

ヴァーナル滝の飛沫にかかる虹
ネバダ滝 雨続きの後なので水量がすごかった

パノラマトレイルはグレイシャーポイントからスタートするトレイルの一つ。

有名なトレイルのひとつですね。

そして、ミストトレイルはバス停16番からスタートするトレイルです。

このトレイル、様々な名前で呼ばれていて、地球の歩き方では「ヴァーナル滝、ネバダ滝トレイル」表記、ブログでは「ミスト・トレイル」を多く見ました。

google先生は、細かくって、ジョン・ミューア・ヴァーナル・フォールズ・トレイル、ミスト・トレイル、ジョン・ミューア・トレイルと場所ごとに区切って表記してくれています(トレイルまで記してくれるgoogle先生ありがとう)。

さて、調べ始めは、それぞれのサイト・ブログが、どのトレイルを指しているかわかりにくく混乱しました。

さらに、パノラマトレイルを歩いた人のブログに滝の話が出てくることがあり、同じ滝が出てくるのになんでトレイル名が違うのかとか、初期はミストトレイルとパノラマトレイルがどう違うのかわからないでいました。

実は、ジョン・ミューア・トレイル含めて、これらのトレイルが途中で繋がっています。

グレイシャーポイントから見る トレイル経路

ミスト・トレイルをバス停でスタートするか、パノラマから経由してミストかジョン・ミューアで下るか、入り方で印象も異なることがわかってきました。

私たちは大人二人だったこと、短い滞在期間を活かすことを考えて、パノラマ+ミスト・トレイルを続けて歩く事にしました。

私たちが歩いた経路です


注 意 点

グレイシャーポイントまではバスか車などの足が必要です。
実際にはフォーマイル・トレイルというグレイシャーポイントまでのトレイルがあるので徒歩も可能です。
ですが、パノラマ・トレイルとミスト・トレイルは十分ハードなコース。
取捨選択が必要かと思います。

パノラマ・トレイルを途中で折り返すなら自分の車で来てもいいですが、パノラマ・トレイルからミスト・トレイルで下る場合、車が置き去りになるのでバスの利用が必要です。

無料のシャトルバスはグレイシャーポイントには行きません。
ツアーバスに乗る必要があり、予約が必要です。


グレイシャーポイントのツアーバスについて

乗車はヨセミテバレーロッジから。

バスは、8:30、10:30、13:30の3本。片道$26
オンライン予約可
https://www.travelyosemite.com/things-to-do/guided-bus-tours/

パノラマ、ミスト・トレイルは結構な時間がかかりますから、朝イチのバスがおすすめ。
そして、朝イチのバスはとても混むそうなので、予定が決まったら早めに予約するのをお勧めします(実際に、1週間前には売り切れていました)。


− 実際について−

パノラマ→ミスト・トレイルは全行程通して、ほとんどが下りのトレイルになります。

長いトレイルですが、小学校低学年くらいのお子さんも歩いていましたし、登りが多いわけでもないので、思ったほど大変ではありませんでした。
翌日の筋肉痛や疲労感もありませんでした。

パノラマの名に恥じない 素晴らしい景観が続くトレイルで、各所に絶景スポットが現れます。
ミスト・トレイルに入ると、勇壮な滝とその水流が作った険しい岩肌で 目を楽しませてくれます。

個人的にとても気に入り、何度もトライしたいと思うトレイルでした。

個人的に 気をつけた方がいいと思ったこと

りのミスト・トレイルは滑る

調べていた当初からわかっていたことですが、ミスト・トレイルは下りがきつく、濡れていなくてもツルツルした岩肌で足元が滑ります。
私も2度ほど足を滑らせていて、危ないなと感じる場所が何ヶ所か、ネバダ滝を下り始めてすぐのあたりにあります。

健脚でも高齢の方で 骨折などの不安がある方は、くだりにミスト・トレイルを歩くのは避けて、ジョン・ミューア・トレイルにする方が安全かもしれません。

トレイル内で迷う可能性

まさかの、遭難でしょうか(笑)

激しい雨の後の訪問でした。
もともと、荒い道を含むトレイルですが、あらゆるところに木々や石などが混じり、トレイルが荒れていて、一部正しいトレイルがどこかわかりにくい箇所がありました。
人が多ければみんなで迷うので安全(?)ですが、人が前後に切れた時に、
歩けそうなところを進んでいたら、トレイルと違っていた…ということがありました。

かなり離れてしまってから気づき、ひやっとした記憶があります。
怪しいな と思ったら、人が近くに来るまで 待機するのも必要かと思います。

焼け・熱中症対策

この辺りは地球の歩き方に載っていることですが、
トレイルの半分は日を遮るものがありません。
日焼け対策はしておいた方がいいと思います。
6月初旬は、朝晩が5度前後なのに 日中は25度以上。夏はもっと暑さが厳しくなると思います。

5時間のトレイルになるので、トレイルスナックや水は十分に用意しておいてください。
私は1.5ℓを用意しました。
グレイシャー・ポイントの売店で水は買えますが、売店は長蛇の列で時間も取られるし、値段も高いです。
また、トレイルスナックはあるけれど、まともな食事ができそうなものは売っていませんでした。

腐敗を心配していたランチ。おにぎりを用意していきましたが、吸って食べるパック入りのゼリーを凍らせて保冷剤代わりにしました。
ゼリー自体が、糖質と水分補給にもなるので便利です。


では詳細は以下から。

− ハイクの実際 −
まず、しょっぱなから 迷う。

予定スタートよりも余裕があったので、Glacier Point Trailside MuseumとGlacier Point Amphitheaterからハーフドームを臨む写真を色々撮ってみて、
ゆっくりスタートしようと思ったのですが…

恥ずかしながら、スタートから迷いました。

パノラマトレイルのスタート地点が、わかりにくいのです。

このあたりだろうというのはわかるのですが、道らしい道がみえない…
売店の人に(長いレジの列に並んで)確認したりしたのですが、バイトさんらしくわからない と言う…
売店のマップでも確認したけど、それっぽい入り口がない…

まさか、入り口で迷うとは。

結局 二人で右往左往しながら、周囲を歩いてみて、ようやく発見!
ちょっと登らないと見えないところに看板がありました。

これで30分ほど時間ロスしました…
予定したスタートより1時間近く遅い、11時過ぎになっていました。

こうやって航空写真でみたら「なんで迷う?」って感じですが、丘を登った先にサインがあり、下からはそれが見えないため、近づかないとわからないところにあります。

さらに、「人が歩いた、踏み固めた、それが道になった」みたいなトレイルです。
つまり、この周辺、毎日世界中からくるツーリストで踏み固められてしまっていて、どこもかしこも「トレイルぽい」雰囲気になってしまっていて、どこからでもスタートできそうな(そして迷いそうな)状態だったわけで…

パノラマトレイルを降り始めたところ

wifiはなく、詳細なマップがダウンロードできない状態では必死でした…
近くにいても、案外 わからない/迷うものです、人は…
(教訓:旅の出発前に自宅でマップをダウンロードしておきましょう)

ドキドキしながら登ると見えてくるので、少し奥の方まで歩いてみてください。

そこからはそれほど迷うような経路ではありません。

ランチをPanorama Trail Bridge周辺でとる

パノラマトレイルをグレイシャーポイントから下った、最も高度が下がったところ、イリルエット川のPanorama Trail Bridgeにさしかかる時、12時半位になっていたと思います。

川が見え、ひらけた空間があり、休むのに良さそうだったのでここでランチをとることにしました。

ツアーバスで降りてスタートするとこのあたりがちょうどランチの時間帯になるかと思います。

この雨続きで川に水が豊富で、涼しげで気持ちのいいランチポイントでした。

パノラマ・クリフの絶景スポット

さて、イルリエット川を過ぎると少し上りの経路になります。
ここからパノラマ・クリフに沿ってネバダ滝までの歩くことになるのですが、木々が途切れて見通せるところからは、ヨセミテ・ビレッジやハーフドームを背後から望むことができます。

①イリルエット川を過ぎて、わりとすぐのところ
②googleの航空写真 トレイルから少し離れます

特におすすめは経路から少し離れたところにある崖の絶景スポット。

写真①にある経路の赤丸あたりから離れ、左に入っていったところにあります。
正確な位置は写真②の赤丸。緑のピンを挟んで左と右に岩が飛び出していて、どちらも見通しが良いです。

ここに狙って行ったわけではなく、先を進むハイカーから教えてもらって行ってきました。

偶然でしたが、これは必見スポット。
せっかくパノラマトレイルに挑戦するなら、是非訪れて欲しいです。

③ハーフドームを背後から望む絶景スポット。緑のピン左側から撮った写真


このポイントからは、ヨセミテバレーとハーフドームを背後から望むことができるのですが、これが壮観。

高さがあるので、谷の深さを実感するのと、ハーフドームを近くに見ることができるので迫力があります。
さらに水量が多くなったイルリエット川の激流も眼下に、滝の轟音を耳に、国立公園の素晴らしさを実感する場所です。

行き方

この絶景スポットへの入り口は看板など案内がありません。

googleのオフラインマップが使えると一番いいと思いますが、獣道のような、歩けそうといえばそんな雰囲気があるので、勘のいい方はわかるかも。
この辺りに差し掛かった時 周囲をよく観察して探していれば、道がわかるかもしれません。

ただし 公園内のどのトレイルでも、トレイル経路から離れて誰かが歩いた形跡があり、そんなところだらけです。
全て 皆さんの「冒険の跡」というか…
面白いものにつながっていることも、全くただの時間つぶしになってしまうような経路もあるわけで。
全部試せば外さないけれど、体力と到着時間を考えると、歩き慣れていない人間には、おいそれとトレイルから離れるのはおススメできないというのが本音です。


当日まで雷雨と、天候に悩まされた分、雪解け水、雨水に恵まれたからか、トレイルのあちこちで水による景観が楽しめます。

ジョン・ミューア・トレイルとの接続口周辺のトレイル

絶景スポットからは、グイレシャー・ポイントの断崖から、細く長く滝が何本も流れ落ちているのが見えましたし、パノラマトレイルの終盤、ジョン・ミューア・トレイルとの接続口へ近づくあたりで、溢れ出した水により沢ができており、水があるトレイルが好きな私としてはとても楽しかったです。

ツアーバスを使った場合、パノラマ・クリフを歩く頃が一番暑い時間帯。
さらに、この経路では日陰がなく、太陽が直接さして とても暑いです。
陽を遮るものや、日焼け止めの用意をお勧めします。

ネバダ滝、ヴァーナル滝の様子 −ミスト・トレイル−

さて、ようやくネバダ滝に到着です。

ネバダ滝の滝口付近

雨水と雪解け水に恵まれ、ネバダ滝、ヴァーナル滝共に 素晴らしい迫力でした。

水量が減ると 近づいて滑落する人がいるようですが、とても近づく気にはなれない、全て巻き込んで粉々にしてしまいそうな、力強い姿でした。

天候には本当に泣かされましたが、滝を含む水の風景に、この時期に選んで来て良かったと実感しています。


パノラマ・トレイルに比べ、神経を使うミスト・トレイル

距離的にはパノラマ・トレイルより短いミスト・トレイル。

トレイルの入り口に差し掛かった時、「半分以上過ぎた!」と思ったのですが、ミストトレイルを下るのには、時間的にはパノラマトレイルと同じくらいの時間がかかりました。

ネバダ滝を降りてすぐの断崖。岩肌を削った水の威力を感じる

理由は、急な斜面を下ることと、その足場が滑ることです。

ネバダ滝を降り始めてすぐのあたりで、2度ほど足を滑らせています。
濡れていなくても、岩肌の特性として滑りやすく、気をつけてなんとかなる というようなものではないです。
場合によっては、ひどくどこかを打ち付ける可能性もありそうです。

多くのブログで 下りより上りの方がいいと アドバイスしていましたが、やってみて私も同じ意見です。
選べる余地があるなら、上りの方がいいでしょう。

また、同じあたりで一度迷いかけています。
急な斜面は、続いた激しい雨に流されてきた、岩や 折れた木の幹で荒れており、どれもトレイルのような、トレイルでないような、わかりにくい状況になっていました。

人はたくさんいるものの、場所によっては途切れ、先行く人も ついてくる人もいない、という状況が生まれ、行けそうな道を進んでいたら、遠くに歩いている人を見つけた、トレイルから離れていた…ということがありました。

大自然の中、ちょっと気を抜くと 遭難なんてすぐおきる。

過去に、家の裏山をちょっとハイク…のノリで、京都の愛宕山で遭難しかけた人を夫に持つ身としては、トレイルでは人の流れを見て、トレイルから離れていないか 常に気を引き締めないと 、との思いを新たにした出来事です。

初夏のミスト・トレイルに 濡れる
ヴァーナル滝の滝口。左にミスト・トレイルの名を体現するトレイルが見える

ミスト・トレイルのいわれが、その滝の飛沫が霧のようだから というのは、周知のことと思います。

今回、滝は水量が多く見応え十分だったのですが、その分ミスト・トレイルは、霧というより、通り雨 のような状態でした。
結構、濡れます。

さすらう スナフキン風。帽子に雨粒が。

真夏と違い「濡れると その後が寒そう!」と思って、私は簡易ポンチョとレインウェアを用意していたんですけど、ポンチョで事足りました。

乳児を連れてハイクしている方はたくさんいたんですけど、こういうのに慣れている方は赤ちゃんが濡れないよう 雨よけに色々用意されていました。

下から上って来ていた日本人と思われるご夫婦は、そういう準備がなかったのか、濡れて 赤ちゃんが号泣。
「ちょっと濡れる」という感じで済まないので、濡れた後のことも考えると、大人はよくても乳児には対策が必要かなと思いました。

下山
Vernal Falls Bridgeからみる ヴァーナル滝

Vernal Falls Bridgeについたのは、15時半頃だったと思います。

バス停16番を利用して、明るいうちに宿へ戻ることができました。
帰りのシャトルバスで、偶然熊(多分ブラックベア)を見ることができました。

結局、今回の訪問でこの時以外遭遇しなかったので、出会えてラッキーでした。