呼吸する水槽
先日、モントレーベイ水族館に行ってきました。
訪問は今回で2度目。
気に入っている水族館です。
エンターテイメント性に欠けるという話を時々聞く水族館ですが、モントレーの海洋の特徴とその再現など、海浜との関係、潮や海藻と生物の関係性が 体感しやすい素晴らしい水族館だと思います。
みんな大好き。
クラゲの展示があったり。
モントレー湾の海洋の特徴が現れている 波を再現した海藻の水槽
「Kelp Forest」 の展示があったり。
ケルプ・フォレストでは、波に合わせて海藻と共に揺れる魚の動が見られたり。
ゆらぎのあるものを見ていると なんだか落ち着きます。
特にケルプ・フォレストの展示が気に入っていて。
動画のように、他の水族館に多い 動きのない水の中に魚が展示されているのではなく、波の動きが再現されています。
この水槽を見ていると、海は常に波があり潮が流れていて、大なり小なりその影響の中で生物たちが暮らしていること
ーこうして文字にすると当たり前のことー
それを、 まざまざと感じさせてくれます。
波のうねりに合わせて、上下したり拡張・縮小する鰯の群れ。
揺れる昆布の影に隠れて、身を任せる魚。
波に任せるものと、波を縫っていくもの。
初めて見た時、「呼吸している」と思ったんですよね。
水槽の中で起きている動きが、呼吸のように感じられたんです。
魚も海藻も 海の動きも全てが、一つになって「生きている」感じがするというか。
そのことに感動しました。
その時の感覚は ヨガの学びと呼応する所があって、その時作り始めていたこのブログのホームに書いた文章につながっています。
水槽という空間は主語が「〇〇という魚、海洋生物」になりやすいけれど、この水槽では主語は「海という空間そのもの」という感じがします。
潮の流れがあって、その中で海洋生物、海藻などが 流れに逆らわず流れを生かしながら存在している。
それぞれ個別に “自由“に振る舞っているけれど、自由に振る舞った結果が海を構成する一部になり、この空間全体が調和して「生きた海」になっていること。
初めて目にして以来、ヨガのことを考える中で 時折この水槽のことをー
この水槽の調和のことを考えます。
魚たちの 波に体を預ける委ねの姿勢や、
揺れる波の中で合わせて揺れる 海藻や魚の様子が呼吸のように見えること、
全体の一つ一つが生きていて 調和があり、結果 「海という全体が生きている」ように見えること。
そういう無機物と有機物の活動が 宇宙の法則の中にあること。
環境のゆらぎの中で、不要な緊張が抜け 最も少ない労力で環境に適応しているだろうか。
環境のゆらぎの中で そのゆらぎに合わせて 調和できているだろうか。
ケルプ・フォレストのように、自分は全体を生かす一部になれているだろうか。
人体で起きている生命活動の働き、身近な人々との関係…
この海と同じ例が たくさん存在しているはずだけど、普段なかなか気付けずにいます。
そのことを感じるために、確かめるために、何度も目にしたいと思う場所です。