Yoga

簡単?難しい?タダアサナ

タダアサナの中にある 居心地の悪さ

大抵のヨガクラスで 必ず確認されるタダアサナ
あなたは、ダタアサナをする時 どんな感覚になりますか?
タダアサナは「両足を揃えて(あるいは少し開いて)、両方の足裏全体に均等に体重が乗るようにします。足の指で大地を掴むようにします。わずかに顎を引いて、肩を回し胸を開いたら、両手は体の横に自然に下ろしましょう」というような説明をされることが多いと思います(私のクラスではこれとは少し違うインストラクションです)。
ヨガをホットヨガで始めた頃、タダアサナはなんというか、居心地の悪いポーズでした。
というのも、

どう見てもただ 立っているだけに見えるのに、めちゃくちゃ気にしないといけないことがある
なのに、できている気がしない
これでいいと思えないのに、どうすべきかもわからないし、インストラクターもこれ以上言ってくれない

というわけで、他のどのポーズより、どうすれば上達するのかわからないポーズでした。

Effortless と 一体感

タダアサナは『サマスティティ』=基準のポーズです。
keyは“effortless”と“一体感”。
タダアサナの最終的な目標は、何の努力も必要なく、ニュートラルな状態で正しく立つことができるようになる状態 と理解しています。
タダアサナで正しく立てると、力みがなく自然であるのに、大地とつながるような一体感があって、ブレずに立っていられる ー そんな無理のない姿勢。
誰でもやってみることはできるけれど、理想的なタダアサナを取れる人は、多くないです。
バレエなどのダンスや新体操、武道、整体法など、体の使い方を小さい頃から積み重ねトレーニングしてきたような人以外は、
これまでの人生での癖、積み重なったバランスの崩れなどで、大地と一体感があるような、力みのない立ち方は簡単ではありません。
正直、タダアサナが正しくできるのであれば、極端な話もう他のアサナをする必要はないくらいです(瞑想の練習が始められる状態という意味で)。
実際は、タダアサナで立つ人の姿の中に、たくさんの その人の生まれ持った個性と 習慣と 生き方 が現れています。
他のアサナのように、アウターマッスルで「よいしょっ」と出来てます感、やってます感を出すこともできないアサナ。
指導も 角度や位置は指示できても、内側の感覚、微細な筋の緊張などは、本人が感じとれるようになるしかない。
自分の現状が否応なく、誤魔化しようなく出てしまうアサナ。
それくらい、究極のアサナ。
私にとってもタダアサナは、常に完成することのない、いつまでもやるべきことが見えてくる とても奥深いポーズです。

ゆだねて 観察すること

“今日のタダアサナ”中に、アサナを改善出来るようなことはほとんどありません。
改善しようとすることは、もう何らかの努力や緊張が生まれています。
今日の自分がやれることをやったら、あとはゆだねて 観察すること。
居心地の悪さがあるなら、それはどこか。
股関節を揺らしてみて、どちらに動きにくいか。
骨盤を床に対して90度に保つことができるか、できたとして自分の感覚はどうか。
尾てい骨が締まる感覚が安定につながるか、それとも逆か。
「快適」なのは自分の習慣からくるものか、それとも体本来の理想的なあるべき場所にあるからなのか。
あるいは、大地と繋がり安定する感覚が生まれ始めたことに、自分自身が気付けているか。

クラスでタダアサナの時にやるべきことは、こうした感覚や変化を確認するだけであって、できないことを悩んだり、努力する必要はありません。
タダアサナは、他のアサナを練習することで改善していきます。
そして タダアサナを含め アサナの練習中に自分を観察してきた結果として、あなたの理想的な状態が見えてきます。