![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/01/A840DE34-8D0F-4D63-8E1A-B5191EFC9F3E-1140x775.jpeg)
舌癖?− 口腔の健康と ブラマリ−
「舌癖(ぜつへき)– って何!?」
というタイトルかと思います。
まず意味から。大まかに言って 字の通り、舌が持つよくない癖のこと。
主に歯科分野で使われている言葉です。
この舌癖があると、口腔周辺でさまざまなトラブルを起こします。
今回は、この舌癖とブラマリとの関係について。
専門分野からの情報をシェアしながら見ていきます。
「舌癖」を調べると出てくる言葉は…
この舌癖という言葉。
検索していただくとわかると思いますが、主に
「歯並び」
「口呼吸」
「喉のたるみ」
と一緒に説明されることが多い言葉です。
「舌癖が、これらに悪影響を与えている」 という文脈で説明されています。
舌癖の前に… 理想的な舌の位置って どこなのよ?
舌癖の前に、癖のない健康的な舌の位置について確認します。
舌癖について説明がある多くの歯科医のサイトでは「スポット」と呼ばれる部位に舌先が当たっているのが健康的と説明されています。
スポットとはここ。
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/53BCC804-FB95-47C2-9500-D12CE26550B4.jpeg)
今回調べた中で一番簡潔でわかりやすくまとまっています(柏KT矯正歯科より)
舌癖 − 主に問題になるのが「低位舌」
では、舌癖ではどうなっているのか?
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/01/581E8B42-274A-42F0-922D-355253EB6CDB-1024x363.jpeg)
舌の正しい位置が分かりやすく、その時歯と歯を噛み合わせないことなどを分かりやすく説明しています(阿部デンタルオフィスより)
上の図のように、歯に当たったり、舌先がどこにも触れていない状態。
この状態を「低位舌」といいます。
「なんだそんなこと」 と思うかもしれませんが、思わぬ問題を引き起こします。
低位舌だと 何がいけないの?
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/91E6C39C-7F8C-452B-967D-191D38C54238-1024x514.jpeg)
ちょっと唾を、あるいは なんでもいいんですけど、飲み込んでみてください。
( … )
では、今度は 舌に圧をかけないで(舌をどこにも当てないで) やってみてください。
…どうですか? できましたか?
できなかったはずです。
「嚥下」と呼ばれる この飲み込みに関わる身体的反応は、舌で圧をかけずに行うことが不可能なんです。
このように、ものを飲み込む動きの中で、舌は大きな役割を持ちます。
舌がスポットにある時は
スポット−理想的な場所に 舌がいつも当たっている状態。
これが習慣になっていると、飲み込むたびに上顎に押し上げる力が定期的にかかります。
この圧は、成長期では 上顎の骨を押し上げ、広げる刺激になります。
この刺激は、歯並びと顔貌(顔つき)に大きな影響を与えます。
歯並びというと、歯のことばかりが気になるけれど、綺麗に並べるためにはスペースが必要なわけで、つまり土台になる顎の成長は とても重要なこと。
上顎の成長が不十分な場合、
⚫︎ 歯がはえそろうスペースがなく、歯並びが悪くなる
⚫︎ 下顎とのバランスが悪くなり、受け口になる
⚫︎ ほうれい線のラインが目立ちやすい顔立ちになる(上顎は鼻の土台となる部分や頬骨との関連があるため)
こうしたことが問題になります。
舌がスポットから離れている時は
低位舌ではその位置が上顎ではなく、前歯の裏周辺にきます。
飲み込むたびに、つばを無意識に飲み込む時ですら 前歯を押すことを続けていたら、どうなるでしょう?
歯は1.7gの力でも動きますが、舌は500gの力をかけることができます。
前歯に、つばを飲み込むたびに力を500gでかけ続ければ、前歯を押し出し「出っ歯」を引き起こします。
これは子どもだけでなく大人にも影響を与えます。
若い時に歯並びにそれほど問題を感じなかった方でも、筋力が衰えるなど低位舌になっていれば、中年期以降など、前歯が出てきたかも…と気づく事になるかもしれません。
舌の筋力が弱く 舌の位置が正しい位置にないことは
⚫︎ 前歯を舌が押してしまって、出っ歯(上顎前突)を引き起こしやすい
⚫︎舌の筋力が弱いために下顎が引き上がらず 口呼吸になりやすい
⚫︎舌が前歯を押すことや口呼吸の影響で、上の前歯がすきっ歯になる原因になる
⚫︎アデノイド顔貌という 特徴的な顔つきになりやすい
先ほどの上顎の成長不全と併せて、「低位舌」だと問題だ というわけです。
ブラマリ −口の中で結ばれる印−
さて、歯科医療での舌の位置と、健康との関連を見ました。
プラナヤマの一つ、ブラマリでは 舌の位置はどうでしょうか?
ブラマリでは、口の中で印を結ぶことになります。
「唇を閉じて、歯と歯の間に隙間を空けておきます。
舌先を上の前歯の裏に当て、舌先をはずさす、そこから後ろに向かって下げていきます。
そうすると、まず段々とした上の歯茎の裏(上口蓋)に当たり、最後にツルッとしたドーム状のところにたどり着きます。
そこに舌先を 強く押し当てます。」
これがブラマリの時に、プラナヤマとして行う 舌の位置です。
どうでしょうか?
やってみて、「スポット」と呼ばれる舌の理想的な位置と、ほぼ同じ位置になりませんか?
さらに、プラナヤマの間、舌を強く押し当てることで、舌の筋力を使うことになります。
ここからは、この事実を元にした私の個人的な考えですが、
⚫︎ 歯科的スポットの位置の確認や習慣づけができる
⚫︎ 練習中に舌の筋肉を使うことで、舌の筋力低下を予防する
⚫︎ この状態でプラナヤマをすることで、鼻呼吸の習慣づけになる
ブラマリの練習を定期的に行うことで、上記のことができ、口腔の健康維持につながるのではないかと思っています。
舌だけじゃない、歯の理想的な状態は
舌だけでなく、歯にも理想的な状態があります。
歯は食べ物を噛み砕く組織なので、「噛むこと」は普通のことだと思いませんか?
でも、実際1日に歯が当たっているのは20分くらいで、普通は少し隙間が空いているそうです。
逆に、ずっと歯と歯が当たっているのは良くないんです!
これを歯科矯正の時に知って、自分も驚きました。
一回噛むことでかかる力は、歯一本当たり自分の体重以上だというので、人生の長い期間に渡って、歯を食いしばったり噛み締めることが多く行われると、大きな負荷になり、歯にクラック(ヒビ、欠け)が起こしてしまいます。
これは結果的に、歯の寿命を縮めてしまいます。
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/EEE5C19C-44D9-4FAB-B8D4-5CB86879353C.jpeg)
歯ぎしりが与える影響が詳しくまとまっています
今一度、ブラマリのスクリプトをみてください。
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/3AE3ABD0-ECD1-4CBB-91B3-6722D3A2A11B-1024x275.jpeg)
必ず、歯と歯の間に隙間を作るようにします。
(ブラマリでそうする理由は、口腔の健康以外でも言えることがたくさんあると思いますが 長くなると思うので今日はスキップして、)
口腔の健康の観点からみて言えば、
舌が理想的な位置にある時に 歯もまた理想的な位置にある状態を、
自分の習慣にしていく練習
と言えると思います。
「一粒で ∞に美味しい」 練習法
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初めてブラマリを経験した時。
「歯科矯正で指導された舌のポジションと一緒」と思った記憶があります。
健康的な習慣としての舌のポジションとして理にかなっているという意識はあったものの、
今回改めて調べ直してみて、ブラマリは実によくできた練習法だと思いました。
ブラマリはプラナヤマ ー呼吸法なので、本来は口腔の健康とは異なる目的の方が重視されます。
しかし、こうやってみると 口腔の健康にも大きく寄与する練習法です。
成長期の子どもたちに おすすめ
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/01/8F7E9ED5-1714-4668-AD19-F6D78483F96F.jpeg)
特に、成長期の小児においては、今後の健康習慣の確立にも大きく寄与する練習法だと思います。
鼻呼吸を習慣化させ、顎の成長を助け 歯が綺麗に並ぶことができるスペースを確保し、舌の理想的ポジションが身につきます。
もちろん、大人になった私たちも
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舌も筋肉なので、何もしなければ加齢とともに筋力や機能は低下します。
今まではやっていなかった口呼吸が、筋力低下によって起きやすくなります。
嚥下力(飲み込む力)も加齢で低下します。
嚥下力が低下すると、誤嚥と言って、食道ではなく気管に水や食べ物入ってしまうことがあります。
抵抗力が下がった時に誤嚥を起こすと、感染症につながります。
(高齢ではこれが原因の死因も多いです)
もちろん、喉がたるんで若々しさが感じられなくなる…という、美容面の問題も現れてきます。
そしてこれは、「ジムへ行ってれば何とかなる」 ということではないんですよね。
ジムでは一般的にアウターマッスルを鍛えることができますが、舌でバーベル持ち上げることはないし、
仮にできたとして それで舌癖が改善するものでもないと思います。
ヨガの“一見” 地味で ゆるそうなことの中に、
実に多方面に影響する要素が 色々詰まっています。
ひとつのアサナやプラナヤマを通して、想定以上の影響が生まれている。
その辺りが、ヨガが とても効率のいい「お得」な活動だと 私が感じる部分です。
さて、ここまで読まれて
「…で、プラナヤマって何?」「ブラマリ やったことない!」
という方、私のクラスでは定期的にブラマリを行なっています。
興味のある方は クラスを体験してみてくださいね⭐︎
Reference
もっと詳しく知りたい方へ
今回このページをまとめるために色々調べた中で、「わかりやすいな」と思ったサイトをご紹介します。
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/01/1DE9C239-249B-4C7C-A735-4499896172EE-1024x759.jpeg)
1.7gで歯が動くことや、歯並びへの影響が分かりやすくまとまっています
(よしどめキッズデンタルランドワハハ)
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/28370346-E0ED-4D96-A7D6-F89B5262FD7B-1024x600.jpeg)
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/27E15885-DF8A-4DE4-8584-08AE1808FBB9-1024x519.jpeg)
頬筋、口輪筋も含め、舌が口腔のバランスに与える影響についてわかりやすくまとまっています
(木下矯正歯科 より)
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/01/7558E2E5-0BDA-412D-9C3D-13BA09C059BD-1024x478.jpeg)
舌のチェックリストがあり、実際の舌の筋力改善のためのトレーニングも紹介されています
(かわべ歯科・キッズプラスより)
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/6E9ABDE1-20EF-446E-B7A6-D50D9C0E1BCC-1024x344.jpeg)
口呼吸の問題と原因が分かりやすくまとめられています(あきら歯科 より)
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/413D1CC0-8FE4-4D26-BE8E-3FA90CCB4CDE-1024x649.jpeg)
口呼吸の問題点と どのタイプの口呼吸かについてもまとまっています
(ミュゼホワイントニング より)
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/889ECE2B-9924-4895-A984-06231923FB06-1024x738.jpeg)
口呼吸による顔つきへの影響(アデノイド顔貌)と、舌の位置(低位舌)との関係に触れています
「タングスラスト vs タングポスチャー」の記事もいいです
(見た目だけじゃない 歯並びの大切さ より)
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/01/626B5728-128E-4466-A07A-514C11797970-1024x478.jpeg)
美容系の情報は怪しいものも多いのですが、これは歯科医師監修のもと舌癖との関係が分かりやすくまとめてあります。(Rice forceより)
☆ 最後に ☆
舌癖の原因が、筋力の低下だけでなく、遺伝的な上顎の骨格に大きく影響するという提言をご紹介します ↓
私自身 この方の見立てに同意で、舌を鍛えても 骨格的な問題で大きく改善しない場合があると思います。
しかし、それでいてなお、舌を上顎に押し付ける意識は必要と、こちらのサイトには書き添えてあります。
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/02/E536B01F-D31B-47A0-96DC-FF9ACBE4EDE7-1024x545.jpeg)
(近藤歯科クリニック より)
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2020/03/28E32815-6E58-46A3-A4F2-AE0C5CD421EB-75x75.jpeg)
![](https://ibuki.yoga/wp-content/uploads/2019/10/B44A530D-1B8D-4824-A8E6-8765C9841342-75x75.jpeg)