Yosemite −アッパーヨセミテ ・トレイル−
前回に続き、ヨセミテ旅行の個別情報です。
Covid−19下でのヨセミテ滞在については こちら
気温差による滞在経験の違いについては こちら
※ 全ての情報は2021年6月時のものです。
【アッパーヨセミテ ・トレイル】
基本情報
往復9.5km、標高差981m。
所要時間:5〜8時間
アッパーヨセミテ滝トレイルは、ヨセミテ・フォールズ・トレイルヘッド 〜 コロンビアロック 〜 ヨセミテ滝 〜 シエラ・ポイントを往復するコースです。
中盤から急所が続くのでハードになりますが、途中で引き返すこともできるので、ご自身にあった難易度でトライすることができます。
実際の経路、時刻、かかった時間など
私たちは目標はヨセミテ滝まで、体力があればシエラ・ポイントまで行こうという具合ではじめました。
この日は予想以上に暑く(最高気温32℃)、上りで体力を消耗していたので、シエラ・ポイントを諦め ヨセミテ滝で折り返してきました。
歩いた区間 | 時 刻 | かかった時間 |
トレイルヘッド 〜 コロンビアロック 〜 滝の横まで | 7:45〜9:30 | 1:45 |
滝の横 〜 アッパーヨセミテ滝まで | 9:30〜11:00 | 1:30 |
アッパーヨセミテ滝(写真撮影)〜スノー・クリーク・トレイルの橋まで(ランチ) | 11:00〜12:00 | |
アッパーヨセミテ滝 〜 滝の横まで | 12:00〜13:00 | 1:00 |
滝の横 〜 コロンビアロック 〜 トレイルヘッドまで | 13:00〜14:00 | 1:00 |
※ シエラ・ポイントまで歩く場合は、+1〜1.5時間(片道)かかります。
ほとんどのトレイルが急斜面
なだらかに歩ける道はほとんどなく、基本急斜面を上るか下りるかしています。
コロンビアロックまでは、それほど急な上り坂ではないので、体力に自信のない方はここで折り返すこともできます。
滝の横を通り抜けてからは、スイッチバックが続きハードになります。
心肺機能が強くないと、サクサク登っていくことは難しいでしょう。
持久力にはそこそこの自信がありましたが、この一年引きこもっていたためか、想像以上に苦労しました。
結局 歩いては休み、歩いては休みを繰り返しつつ登りました。
その休憩時間の多さから、かかった時間は長めだと思います。
下りは心肺への負担は軽くなりますが、滑らないようにコントロールしながら歩くことで 足への負担が大きいトレイルです。
トレイルの印象
ハーフドームトレイルよりずっと短いトレイルですが、山中をひたすら登って滝上まで行く経路なので、濃度としてはハーフドームよりもハードではないかと感じます。
実際私たちは(一年以上引きこもっていたこともあるとは思いますが)筋肉痛はさほどではないのに、翌日 二人して疲労感でヘタってしまい、その日の気温が34℃だったこともあって、キャンプサイトで休憩時間を取ったりしました。
また途中から木々がなくなり日を遮るものがないので、直射日光が当たり 大変暑い経路でもあります。
ただ、かなりハードなトレイルではあるものの、
- 景色がどんどん変わっていくこと
- 谷を見下ろせること
- 滝の水を霧のように浴びるポイントがあること(季節による)
- 滝を間近にみられるポイントがあること
など、見どころは満載で、達成感もあるトレイルだと思います。
ヨセミテ内はどこもそうかと思いますが、滝は 朝よりも午後の方が水量が増しています。
初夏に水量が十分ある時期なら、午後 下りの滝の横を通るポイントで、滝の水が風に流されて霧のように浴びることができるポイントもあり、楽しいです。
慣れていなければ無理をしないで
楽しいトレイルであるのは確かですが、体を扱う視点で見ると 気になる点はあります。
持久力が必要
上りの傾斜が急なのが特徴なので、踏み台昇降運動的な心肺機能の強さー
「持久力」が問われます。
この傾斜は滝に近づくにつれさらに激しくなり、滝上までずっと続きます。
この点で、
効率的な呼吸ができること
一度の心臓の拍動で多くの血液を送り出すこと
ができないと、息切れと疲労感で 前進することが難しくなります。
歩き方の癖によっては、体を痛める
斜面が急なので、一歩一歩は かかとー「足底」をそれなりに持ち上げる必要があります。
かかとを高く持ち上げながら歩くことは、関節に歪みがなく筋バランスが取れているなど 体の状況が整っていれば、長時間行っても それほど負担なく行うことができます。
ただ、大腿四頭筋(太腿前面)で足を持ち上げてしまうような使い方が癖の方は、後日 激しい筋肉痛や、膝の痛みを強く感じることになるかもしれません。
下りでは急斜面を歩くことになるので、バランスと体重の保持にかなり神経と筋力を使います。
ヨセミテ内のトレイルは、場所によって岩場が滑りやすいところ、滑らないところがあるようで、前回歩いたミスト・トレイルは同様、このアッパーヨセミテ・トレイルの岩場も滑りやすいです。
ただの急斜面以上に微妙なコントロールが必要になるので、足の疲労感はかなり強くなります。
熱中症に注意
ハーフドーム・トレイルほど長時間のトレイルではないものの、アッパーヨセミテも熱中症のリスクがかなり高い経路だと感じました。
(高気温の日の実際についてはこちらもご参考ください)
①直射日光を浴び続ける経路が長いこと
滝の横を過ぎたあたりから滝上まで、木々がなくなり直射日光を浴び続ける経路が続きます。
今回のように気温が高いと(最高気温32℃)、日を遮るものがない中ではかなり暑いです。
ハーフドームは高度が高い分頂上の気温は5℃ほど低くなりますが、アッパーヨセミテではそれも期待できません。
②運動負荷が強い経路のため、体温がかなり上昇する
さらに、直射日光が当たる経路がちょうどスイッチバックで急斜面にあたり、これをひたすら滝上まで上がり続けます(今回は1.5時間)。
この激しい運動で、体温も内側から上がり続け 体温を少しでも下げようとする反応で汗もたくさんかき、熱中症のリスクが高まります。
お勧めは、ハイクをできるだけ早くスタートすること
熱中症のリスクを下げるためには できる範囲で朝早くに出発し、水をこまめに補給しつつ休憩を挟む必要があると思います。
上りで特に体温が上がるので、滝上には 気温が上がってくる正午までには着いていたいところです。
最高気温30℃超えなど 気温が高い日は、日の出すぐくらいにスタートすれば、正午前後にハイク自体を終えられるので 暑さにあまり苦しめられずにハイキングができると思います。
色々小難しく書きましたが、「体力に自信がない」「運動は久々」という場合は 無理をせずに折り返して戻るということも大切ではないかと思いました。
【 持っているといいもの 】
トレッキングポール
ハーフドームトレイルのために購入したものですが、実際は このトレイルにこそ必須だったと思います。
下りで、滑る岩肌を降りていくことになるので、これがあることでかなり負担が軽減されました。
アップダウンの激しいコース、距離の長いハイクの時は、あるといいと思います。
十分な水
5〜8時間のトレイルですが 前述の通り、熱中症のリスクの高い経路だと思います。
ヨセミテの他のトレイル同様 途中に給水ポイントはないので、十分な水を持っていく必要があります。
今回私たちは、一人2.5リットルを持ちました。
上りの経路の滝の横を過ぎたあたりからは 最後のトレイルヘッドへ戻るまでは、定期的な水分補給が必要でした。
結局1リットル以上残りましたが、少なく見積もるより多めにしておいたほうがいいと思います。
今回のように気温の高い日は、スタート時間が遅くなればその分 ハイク中に水分を消費することになると思います。
スタートを早めることも含めて水分量を検討するといいと思います。