
鼻の浄化 −ジャラ・ネティについて−
そろそろ花粉症のシーズンがやってきますね。
症状を思うと憂うつ… という方もいるかもしれません。
鼻炎がひどくなると 息がしづらい、口が渇く、何度も鼻をかまなければいけなくて、皮がむける…など 辛い悩みもありますよね。
花粉症に「鼻うがい」がいい、というのを聞いた方もいるかも。
今日ご紹介するのは、ヨガの「鼻うがい方法」ーJala Netiー ジャラ・ネティ です。
花粉症やアレルギー症状を改善する効果があると言われている方法です。
【ジャラ・ネティ ー 水で行う鼻腔の洗浄】

花粉を含め、ホコリ、またそれらに付着した菌などを「洗い流す」ことが目的です。
もちろん鼻腔ー鼻の穴に流すのですが、副鼻腔も洗浄することになります。
副鼻腔炎で知られる「副鼻腔」。
名前はご存知だと思いますが、どのあたりにあるかご存知でしょうか?
実はかなり広範囲にわたって存在しています。
ネティでは、洗浄によって この副鼻腔にも水が流れこむことになります。
この副鼻腔に溜まった水を切ることで、副鼻腔もクレンジングされます。

【 ジャラ・ネティのやり方 】
鼻腔に水を流すのがネティですが、水を流して終わりではありません。
市販されているジャラ・ネティの説明には あまり記載がなかったりしますが、
その後の、水をしっかり鼻から抜くことも、水を流すこと同様に重要な過程に思います。
① 準 備

蒸留水500mlに対し、小さじ1の塩分を入れた 塩水を用意します。
温度は常温でも構いませんが、体温程度の温度だと 心地よくできます。
② ステップ1 :鼻腔の洗浄
ネティポットに塩水を適量いれます。
練習流し台の前に立って、額とあごが水平〜45度になるように頭を横に傾けて、液体が口に流れ込まないようにします。(上記FDAの写真参照)
口を開けて、ネティをしている間は口呼吸をします。
塩水を満たした容器の口を右の鼻孔に挿入します。水が漏れないように、鼻腔をネティのノズルでぴったりと塞ぎます。
角度があっていれば、左の鼻孔から液体が流れ出ます。
うまく行えていれば、鼻周辺以外で顔を濡らすことはありません。
終われば、反対側で頭を横に傾けて、手順を繰り返します。
重要になるのは頭の角度です。
これは何度かやってみて、自分のベストな角度を探すしかありません。
③ ステップ2 :鼻腔を乾かす ※
鼻腔(主には副鼻腔)に水が残っていると 風邪や感染の原因になったりするで、水をよく切る必要があります。
ネティ後、まず優しく鼻をかみます。(強くかむと内耳へ水が入りやすくなります)
❶ 四つん這いになり、マジャラナサナ(猫の呼吸)で顔を上下に2、3回上げ下げして、鼻を上と下を向くようにする。
※ネティの時はマジャラナサナでも、背骨ではなく頭の動きに集中する。
❶マジャラアサナの動き(上へ) ❶のマジャラアサナの動き(下へ)
❷ 四つん這いのまま、頭を左右へ、床と90度になる位置まで ゆっくり動かす。
❸ 最後に頭頂部をマットに押し当て、円を描く要領でマッサージする(時計回り、反時計回り両方 )。
❷の頭部動き ❸の頭部の動き
❹ 最後に正座で交互の鼻呼吸のカパルバティを行い終了する。
これでかなり水が切れているはずです。
それでも 終えてしばらくは、時折 口に塩水や粘液が流れてきます。
余裕があれば この後にヨガを行うと、頭部を下げるポーズの後などに水が出て、残った水を出し切ることができます。
【 ジャラ・ネティの効果 】
FDAによれば その効果について、
「副鼻腔のすすぎは、ほこり、花粉、およびその他の破片を除去し、厚い粘液を緩めるのに役立ちます。また、副鼻腔感染症、アレルギー、風邪、インフルエンザの鼻の症状を緩和するのに役立ちます。」と記載があります※。
ヨガ的には、
・粘液や汚染を取り除くことで、呼吸関係の病気の予防、改善になる
・鼻と繋がりのある、目・耳・喉の健康状態を保つ
鼻は脳と近く、神経も集まっている部分。
西洋医学的にも脳に作用する薬を鼻の吸入で用いるなど、脳への影響がある部位です。
そこから、
・脳のリラックス、鎮静作用
・眠気を取り除き、マインドが明瞭になる
・目元を中心として 顔貌が若々しくなる
などがあります。
私は週3回行っていますが、週1回で十分だと思います。
子供の頃は、後鼻漏で粘液と鼻詰まりが酷かったですが、
ネティが習慣化してから、風邪の時以外で鼻は粘液の問題で困ったことはありません。
風邪もかかりにくくなりました(逆に、旅行中ネティができなかった期間に風邪をひいたことがあります)。
また、風邪をひいた後の、発熱はもうないけれど鼻の症状が続く時に行うと、長引きません。
そして、何より 大変爽快です。
意識がクリアになるというか、シャープになる感覚があります。
【 気をつけるポイント】
「安全なの〜?」と心配になる方もいるかもしれません。
ヨガのシャット・クリヤの中でも、基本的に安全な浄化法です。
アメリカ及びカナダでは、鼻腔の手術後数日のうちに ネティを使って洗浄することが推奨される場合もあり、西洋医学的にも 安全性は認められています。
ただし、以下の点に気をつけて行います。
・殺菌処理された水や蒸留水をベースに食塩水を作ること
(非加熱の水道水が原因の感染症で亡くなったケースがあり、FDAが注意喚起しています)
・アレルギーや花粉症に効果があるが、重度のアレルギーの人・鼻腔閉塞で詰まりがあるときはしないこと。感染症(風邪、中耳炎など)があるときはしないこと
(ひどい症状がある方は、医療機関で病態がないか確認してから行います)
・リラックスしてやる
(緊張があるとうまくできません)
・角度をつけすぎると耳(内耳)に水が流れるので注意
(耳と鼻は内部:ウエスタキオ管で繋がっています。耳への感染を防ぐために角度に気をつけます)
・空腹の状態でやる
(食後は避けます)
※ FDAによる効果の引用原文、注意喚起詳細はこちら
【 鼻腔に炎症があるかどうかの判断基準 】
炎症が起きているときは強い痛みがあります
その時は 速やかに中止します
※塩分が多い/少ない時も痛みを感じることがありますが、これは浸透圧による問題で、危険性はありません
ネティポット どこで手に入る?
ネティポットは 簡単に手に入ります。
アメリカではドラッグストアにも普通に置いてあります(Amazonでwash nasal、 neti pot、jala neti で調べるとたくさん出てきます)。


ただ、使いにくいものも中にはあります。
私の経験からいいますと、ポットを当てるほうの鼻腔を しっかりと塞ぐことが出来るものをお勧めします。
この差し込んだ方の鼻腔に隙間があると、水の流れ方がよくないように思います。
ポットの入り口が 三角に出っ張っているものが、鼻の穴が塞げておススメです。
→こういうのです(見た目ちょーダサいですが)
※ 私が使っているものが今購入できないようですが、
似た形のもはこちらで手に入ります Amazon , Yogamatters
ネティもいいけど…?
絵から受けるイメージよりも、やってみると思ったより簡単です。
興味がある方はトライしてみてください。
合えば花粉症の症状改善に役立つかもしれません。
一方で、花粉症に対しては、この方法は あくまで対処療法です。
根本治療にはなりません。
アーユルヴェーダ的には、春と秋に毒素が高まると考えられています。
体に溜まった毒素が症状として現れやすいのがこのタイミングで、花粉症もこの症状の1つと考えられます。
(ちなみに、禅僧の方と話をした時も、人が死ぬのが多い季節は春と秋で、溜まった不調が出やすい季節であると言われていました)
粘液が多くなる理由には、冷たいもの、乳製品、動物性蛋白や糖質の過剰摂取なども影響します。
慢性鼻炎で医療機関で病態が発見されないときは、食生活を含む生活習慣の見直しもしてみましょう。
ヨガ的浄化法を もっと詳しく
クリヤ − 浄化法 −
ヨガでは、「クリヤ」と呼ばれる浄化法 ー クレンジング法があります。
特にハタヨガでは、アサナよりまず 一番最初にクリヤを行うとされています。
それは ハタヨガにおいて、体が清浄でなければ心が清浄にならないという考え方に由来します。
「体は基本的には汚れている。
体が汚れていると(その蓄積・結果として)健康的な問題が浮上してきて、心に集中することができない。
その問題を解消するために、先に体を浄化する必要がある。」という考え方です。
主だった浄化方法として、6つあり、これを「シャット・クリヤ」といいます。
ネティはその1つになります。
浄化は、外界とつながりがある器官 ー 呼吸器と消化器が重になります。
ネティ本来の目的
ご存知の通り、ヨガは呼吸を重視しています。
呼吸をうまく行うために必要なことは、鼻腔に詰まりがないこと。
人体には 「イダ」と呼ばれる陰性のエネルギーと、「ピンガラ」と呼ばれる陽性のエネルギーがあり、これがバランスよく流れることで、「シュスムナ」と呼ばれるエネルギーチャンネルが開くというのがヨガの考え方です。
イダとピンダラは左右の鼻腔を通っており、バランスに影響を与えます。
鼻腔に詰まりがあり 流れが悪いと、イダとピンダラの陰陽のバランスを崩すため、
鼻腔に問題がある状態では、ある程度以上 ヨガを深めていくことができない、というのがハタヨガの考え方です。
このことから、鼻腔を通すことは とても大切な準備であり、練習でもあります。
ネティは、この鼻腔の詰まりを取り除き、浄化するのが本来の目的です。
※ 今回ご紹介したのは、私がトレーニングを受けた方法で、SVYASA系統の方法になります。
鼻腔を乾かす運動は、指導団体によって違っているようです。
要は水が副鼻腔から安全に出せればいいので、それができればどんな運動でもいいと思います。

